「テンペスト」★★★☆☆

今から12年前に「タイタス」を観てから、舞台演出出身のジュリー・テーモア作品は気になる存在。

全部を観ているわけではありませんが、残酷な復讐劇で目を逸らすシーン連発だった「タイタス」が今でも強烈に頭に残ってるんですよね。

で、彼女が久々に同じくシェイクスピア原作を映画化するってことで、これは行かねばならぬと。

テンペスト

やはり特筆すべきは、ジュリー・テーモアならではの衣装センスと美術。

時代はシェイクスピアの生きた16-7世紀頃のヨーロッパだと思うのですが、ジッパーを多用した衣装はすっごく斬新でしたね。(上の写真が正にそれ)

それにしても500年以上の時を経てなお、舞台で演じ続けられ、映画化され、リメイクされ…と、アーティスト達を魅了してやまないシェイクスピア作品って、凄くないですか!?

やはりその理由は、普遍的な人間の感情ーーー愛と裏切り、そして復讐と赦しが、卓越した人間観察眼、内面描写によって描かれているからではないでしょうか?

時と国を超えても、我々がやってることって何にも変わらないんでしょうね。

人間って成長しない生き物なのかも。

本作、代休を取った平日に観に行ったのですが、突如、12人程の団体女性達が!

どうも「シェイクスピア研究会」的な勉強会をやっているお仲間らしく、先生らしき人に引率されてきた中高年の有閑マダム達でした。

Forestでも途中難解で、睡魔に襲われること度々だったのですが、マダム達も洩れなく落ち着きがなく、途中何度もトイレに立って、Forestの視界を遮る、遮る^^:

最後、ロビーで「良く分んなかったけど、なんかシェイクスピアっぽいわね」と感想を述べ合ってる彼女達を見て、「日本は平和だな」と思ったのでした。ちゃんちゃん。