「わたしを離さないで」★★★☆☆
イギリス映画とキーラ・ナイトレイ好きのワタクシForestとしては、見逃せなかった本作。
にしても、公開からずいぶんと時間が経ってからの鑑賞となりました。
ネタばれになるので、核心に迫ることはできないのですが、主人公の3人に漂う何とも言えない諦念感。
テーマは「自分の運命を抗わずに受け入れる子供たち」ということになるのでしょうか?
3人はある目的を持って生れてきて、淡々とその目的を達成します。
それがどんなに残酷なものだったとしても…。
それでも人間だから嫉妬の感情があるんですよね。
キャリー・マリガンとアンドリュー・ガーフィールドが相思相愛であることを知って、愛情もないのにアンドリューに近づき、2人の引き裂くキーラ・ナイトレイ。
彼女の行為が何だかんだ、一番人間的でホッとしてしまったのは私だけでしょうか?
それにしても、イギリス英語っていいですね。アクセントを聞いてるだけで幸せ♪
いつも英国映画を見た後の感想は、こればっかりになってしまうのですが^^;
映画を観てから原作を読むと、また別の感慨があったりするらしいので、機会があれば原書に当たって観ようかと思います。
ただ救いのない内容を知ってしまってから読むのは、かなりの苦痛かも知れませんが。
日本出身とはいえ、日本語を忘れてしまったカズオ・イシグロ。
彼がこのちょっと不思議なSFをどのように英語で表現しているのか?
気になります。
しかし、映画を観る限り、それこそ日本の能に通じるような静謐さを感じ取らずにはいられないはずです。