「ブラック・スワン」★★★☆☆

1か月ぶりの更新になりました。

この間、色々とありましたね…。

もちろん、その最たるものは「東北関東大震災」なわけで、直接の被災者ではないForestも、人生最大の揺れを経験し、通勤困難者になったりして、ブログに向かう気分にすらなれなかった(涙)

映画も観に行きたいのですが、上映スケジュールが地震以降、不定期だったりして、なかなか予定が合わず。

ちょっとインチキですが、先日の出張時に飛行機で観た「ブラック・スワン」をレビュー。

今年のアカデミー賞主演女優賞ナタリー・ポートマンがさらった話題作。

白鳥と黒鳥の2役を演じ分けることから、バレリーナにとって屈指の難役とされる「白鳥の湖」のオデットとオディール。主役に抜擢された新人プリマが、役にのめりこむあまり、精神のバランスを崩していく…というお話。

Black Swan

白鳥の湖」はForestも大好きな演目。

特にオディールが王子を誘惑する32回転は、バレリーナにとって最大の見せ場になってますよね。

周囲の嫉妬、振付家のセクハラ、自分の夢を娘に託す過保護な母親…と、ナタリー演じるニナには、色々な障害が立ちはだかります。

中でも一番彼女を困らせたのは、男性を誘惑する妖艶なオディールの雰囲気を、どうしても醸し出せないこと。

ヴァンサン・カッセル演じる女たらしの振付家に、「お前にオディールが演じられるのか?!」と挑発され、散々セクハラされます。

Black Swan2

こうして見ると、ホントにナタリー・ポートマンって華奢ですよね~。

大人と子供みたいに見えます。

プレッシャーに押しつぶされそうになりつつ、ニナは次第に精神の均衡を崩していき、幻覚を見るようになっていきます。無事に初日は開けるのでしょうか???

というハラハラ感で、最初から観る者の目をとらえて離しません。

飛行機の小さいスクリーンでも緊張感は伝わってきました。

レイチェル・ワイズの元旦那であるダーレン・アロノフスキー監督。

さすがハーバード出身と思わせる難解な数式をテーマにした「π」でデビュー。

シネマライズのレイトショーを観に行ったことを思い出しますね。

「レスラー」とか「ファウンテン」とか、ジャンルにとらわれないストーリーを撮れるようですが、結局はこういう精神世界を描くのが一番得意なのかもね。

でも、深遠さと難解さで言うと、クリストファー・ノーランの方が数段上か?

ナタリー・ポートマンは撮影中、役にのめりこむあまり、実際に精神病?を病んでいたとか。

まさに「ミイラ取りがミイラに」って感じでしょうか。

その甲斐あって、そのなり切りぶりは怪演そのもの!

そういや彼女もハーバード出身だけど、まさに生まれながらの女優って風格と貫禄が漂いますね。

ストーリーは割と予定調和というか、予想通りで、あまり特筆すべき所はありませんが、ナタリーの真っ赤なお目めを観るだけでも価値あり?!