「瞳の奥の秘密」★★★★★

2009年に本国アルゼンチンで公開されるや大ヒットを記録し、今年のアカデミー外国語映画賞に輝いた傑作ラブストーリー。

サスペンス要素も含んでいますが、敢えてこの映画は「極上の恋愛映画」としておススメしたい!

瞳の奥の

人生初のアルゼンチン映画が、2010年のベストワンになるとは!幸せな初体験を果たしました♪

刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、25年前の未解決事件を題材に小説を書こうとする。

思い出を辿っていく過程で、当時の女上司イレーネとも再会し、自らを活かし続けていた「情熱」に気づき、対峙する勇気を得る…というお話。

「これがラテン気質なのか?」と思わせる程度なユーモア、容疑者逮捕に至るサッカースタジアムシーンの大掛かりな空撮、ベンハミンとイレーネのもどかしい関係、そしてアル中だが優秀な推理力を持つ相棒バブロとの友情、妻を殺された夫の恐ろしいまでの情念…と、一つの映画に収まりきれないほどの要素が見事に溶け合い、129分を一気に見せます。

一瞬たりとも退屈なシーンがなく、手に汗握る展開が続く…という脚本は圧巻です。

25年後も同じ俳優が演じている…っていうのもポイント。ちょっと老けメイクに無理がありましたが、それでも違和感なく「ああ~ベンハミンだなあ」と物語に入り込みやすいという効果あり。

ベンハミン。渋いロマンスグレーのオヤジになりました。こういう感じ、Forestのもろタイプです。

男

そして検事に出世したイレーネは、貫禄たっぷり。

検事

彼女、良かったわ~。

いつでもベンハミンのこと、受け入れる準備はしていたんですよね。

でもタイミングが悪かったし、高卒のベンハミンにとっても法学博士で検事の道が約束されているイレーネは高嶺の花だった…。人生って上手くいかないのね~。

25年後のイレーネにベンハミンが小説の原稿を持ってくる。でも彼女はこう言うのです。

「私には読めないわ。私は前だけを見て生きてきたの。過去は私の管轄外よ。分かるでしょ。」と。

理由は分らないけど、このセリフにいたく感じるものがあって、Forestは涙が止まりませんでした。

過去ばかり見がちなForesetへの言葉のような気がして。

多分、ここで泣いてる人はいなかったかも知れないけどね^^;

ネタばれになるので、あまり細かくは書けませんが、ラストも良かったな~。

「お~、そう来たか!」と。

ベンハミンには幸せになってほしい!

鑑賞後の気分が全然違いましたね。「あ~、いい恋愛映画を観たな」っていう清々しい気持ち。

アルゼンチン映画ってこんなに高水準なんだろうか???

他の作品にも興味大です。

もう一度観ようかな~というくらい好きな作品になりました。