「コロンブス 永遠の海」★★★☆☆

ポルトガルの巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督が、“コロンブスポルトガル人だった”という新説に触発されて撮り上げた作品。老年期の主人公夫妻をを撮影当時99歳のオリヴェイラ監督自身と妻のマリア・イザベルが演じています。

およそ2年ぶりに岩波ホールを訪れましたが、相変わらず時が止まったような、この劇場のレトロ感は健在。劇場スタッフの制服は青いロングジャンパースカート!なんだか逆に新鮮です。

さて映画は75分と短尺なのですが、序盤から早くも友人の寝息が…^^;

通常だったらForestも寝息の大合唱!間違いなしだったのですが、前日に睡眠取りまくりだったので、バッチリ起きてました。

一つ一つのカットがとっても長いんですね、オリヴェイラ監督って。

「このシーンには何か意味があるのだろうか?」って深読みしてしまうんですが、別に深い意味はなかったという^^;ことの連続。

でも見終わった後、すっごいヒーリング効果を感じましたね。

心地良い疲労感というのか、40年に渡ってコロンブスポルトガル人だったという軌跡を求め続ける、とっても粘り強い(ただのノンビリ屋さん?)の研究者と、嫌な顔ひとつせず夫の趣味に付き合う妻。

70過ぎてから映画監督として世界に評価され始めたオリヴェイラ監督の「超マイペース」な生き方そのものを描いてるようで、「何も生き急ぐことはないんだなあ」という気持ちにさせられます。

それにしても劇中の主人公を演じる監督、とても99歳には見えない!

背筋はしっかり伸びているし、車も運転、さらに必ず奥さんのためにドアを開けるジェントルマンぶり。

ほぼ全編寝ていた友人が「奥さんもドア開けてくれるまで、待ってたね~」と感心してましたが、たぶんこのシーンくらいしか覚えてないんだろうなあ~(笑)

40年以上連れ添っている(劇中の設定、実生活の監督夫妻は60年以上???)夫婦の麗しい姿が映し出された癒し系映画でした。