「17歳の肖像」★★★★☆
最近、観た映画の中でイチオシはこれ!良かった!
60年代のロンドンを舞台に、16歳の女子高生ジェニーが経験した「ある教育」とは?
ちょっと生意気な優等生ジェニーが可愛いのだ~♪制服姿もグッドです。
オックスフォード大学を目指すことだけを父親に刷り込まれ、勉学に勤しむ彼女でしたが、ひょんなことから倍以上歳の違うディビッドと知り合い、彼の見せてくれる大人な世界の虜に。
結局は口が上手いだけの詐欺師だった彼ですが、でもいいじゃん、パリにも連れて行ってもらったんだし、高級レストランでの美酒美食も十分味わったし、素敵なドレスも買ってもらえたんだから!と思うのは私だけ?
こんなに素敵に変身しちゃいました!
主演のキャリー・マリガンは、「オードリー・へップバーンの再来」とか言われたそうですが、どっちかというと加藤ローサって感じです。
「絶対、騙されてるよ~、ジェニー!」という観客の思いも虚しく、ジェニーはディビッドとの結婚を確信して高校も中退してしまいます。あれだけ「オックスフォード!」と騒いでいた父親も「玉の輿に乗れるのなら」と、あっさり中退を認める始末。これには笑っちゃいましたね。結局、将来有望な男を見つけるために、オックスフォード行きを娘に強いていただけのバカ親父だったとは。
でもね、私がいたく感銘を受けたのは、騙されたことを知って学校に戻ろうとしたジェニーが助けを求めた先生との会話。こ~んな地味な先生です。しかもコワそう~。
彼女は小論文の教師なのですが、ジェニーの才能に惚れこんでいて、「結婚します~!」と中退しようとしたジェニーを止めるんです。でも、そんな先生の親心を知らず「ケンブリッジを出た先生だって、毎日、生徒の論文を添削してるだけじゃん!つまらない人生ね!」なんて酷い言葉を投げるジェニー。
でも結局ジェニーが頼ったのは、その女教師でした。
ジェニーの訪れた先生の部屋は、質素ながらも趣味が良い丁度品と書物に溢れ、品性と教養に満ちています。
ディビッドが見せてくれた華美でも空っぽな世界とは正反対。
でも、これこそがジェニーの求める、彼女の寛げる場所だったんですよね。
思わず「素敵な部屋…」と呟くジェニー。そして「助けて下さい!」という彼女の叫びに、「その言葉を待っていたのよ」と答える先生。
おお~、何と素敵な先生なのでしょう!かつて暴言を吐いた教え子を救おうと思うなんて。
でもこれこそが教師冥利に尽きるってやつなんでしょうね。
原題は「An Education」。まさにジェニーにとって、人生のお勉強だったわけですね。彼女はそこから学ぶことができたからラッキーでしたが。