「NINE」★★★★☆
遅ればせながら「NINE」を鑑賞。
まず最初に感じたのが「良くこれだけの女優たちを一同に会させたな」ということ。
ギャラもさることながら、スケジュール合わせるだけで大変だろうな~と。
一人一人にダンスや歌のレッスンを付けるのにも、想像を絶する苦労があったはず。
ロブ・マーシャル、流石だなあと。
女優たちがミュージカル俳優顔負けの歌とダンスを披露してますが、ペネロペちゃんのセクシーダンスはすごかった!これ以上ないくらい開脚してたし(汗)。彼女はバレエを長くやっていたんですね、確か。身体が柔らかいのは良く分かりましたが、あの踊りできるのはペネロペちゃんだけだろうな~。
ストーリーは何てことなく、「モテモテ男の映画監督グイドがスランプに陥り、彼を愛する女性たちが、よってたかって慰めてくれる」という男の理想を描いたような作品。いいなあ~グイド!
マザコンで、愛人との仲もスッパリ切れないダメ男のグイドですが、ダニエル・デイ・ルイスが演じるから、何となくセクシーなんだな~。ダメっぷりが愛しいとでも言いますか…。この人、ホントに芸達者ですよね。しかも本人には俳優業への欲がなく、「イタリアで靴職人の修行」したり、人生の寄り道を楽しんでいる余裕のある風情が素敵。で、たまに映画出演するとアカデミー賞獲ったり、最高の女優たちと共演したり…というラッキーなお方。ガツガツしてないからこそ、オファーが舞い込むのだろうか?
どんな女優陣よりも目が行っちゃうのは、やはりグイドでした。あの華やかな女優たちを完全に喰ってました。ものすごい存在感。
これはダニエル・デイ・ルイスのための映画でしたね、意外にも。
最後にグイドが掛ける「アクション!」の声、すっごくカッコよかったな~。
脚本は「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ。これが彼の遺作となりました。脚本家出身なだけに、監督を手掛けた作品も人物の内面描写には定評がありました。彼の「壊れゆく世界の中で」、大好きな映画でした。合掌。