「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」★★★☆☆
以前にシネマライズで予告編を観てから、ずーっと気になっていた本作。やっと観るチャンスが!
それにしても、働いた後に2時間半越え、スウェーデン語、難解なミステリー…と、悪条件(?)の重なった映画を観るのは、と~っても危険!だってミステリーだから、途中でウトウトなんてしようものなら、全く筋が分からなくなっちゃうじゃん!
というわけで、めっちゃ気合入れて臨みました!(実際、途中で睡魔が一瞬襲ったんだけど、ノド飴舐めたり、「寝ちゃダメだ!」って、自分に渇入れて乗り切った!)
原作は未読ですが、本国スウェーデンでは、900万人しかいない人口に対して、なんと300万人が読んだという大ベストセラー、日本でもミステリー大賞系を総なめ。しかも、作者のスティーグ・ラーソンは、著作の大成功を見ることなく、2004年に50歳の若さで急逝。彼の死後に世界中で2000万部を売り上げたっていうんだから、皮肉なものです。
つまり原作の面白さは、いわばお墨付き。
映画は…というと、これが「R-15+でいいのか?」というくらい、衝撃シーンの連続なわけですよ。
特に主人公の天才ハッカー少女、リスベットが後見人の変態オヤジに犯されるシーンは、ほとんど半目でした(涙)。
あまりの酷い描写を正視できず…。でも、彼女がちゃんと復讐を果したので、ホッとしましたが、そのやり方もまたえげつないんだわ~。
あ、ミステリー部分から話が逸れました^^;
謎解きという面では、正統派ミステリー好きには物足りないのでは?
証拠を一つ一つ当たるっていうよりは、写真ばっかり見てるんですよ、主人公のミカエル君が。
まあ、彼の写真分析能力はすごいと思うけど、40年間もこの事件のカギを掴めない警察は一体…?
それから「天才ハッカー」という設定が、既にズルいですよね。
だって種明かしは、「彼女はハッキングによって情報にアクセスできる」ってことだけになっちゃうから。
原作はもっと色々と伏線張ったり、謎解きしなきゃいけない要素を散りばめているんでしょうけどね。
と、辛口なコメントをしつつ、この映画をたまたま観ていた同僚と飲んだ時、「あのシーンは変だろう~?」とか「どうしてミカエルは、あんな余計なことを口走るんだ~!」とか、1時間以上は映画の話題で盛り上がっちゃいましたよ~。「語りたくなる」系の映画です。(というか、突っ込み所が多いのか?)
3部作、全ての映画化が決まってるようで、次作も観ちゃうんだろうな~。ここまで来たら。
でもスウェーデン映画というのが、非常に新鮮でしたね。
いつも曇天のような暗~い色調、登場人物の顔色もどことなく悪く、ピーンと張り詰めたような寒さが画面から伝わってくるような。
それにしても、この映画に描かれているようにスウェーデンには変態ジジイが多いんだろうか?そして地下鉄の駅でも真っ昼間から暴力沙汰が繰り広げられているんだろうか???
そんなことはないでしょうけど、偏見を植え付けちゃうかもね~。怖い怖い。