「ニューヨーク、アイラブユー」★★★★☆
「パリ、ジュテーム」のプロデューサーによる、都市をテーマに描くオムニバス映画の第2弾。岩井俊二、これが初メガフォンとなる女優のナタリー・ポートマンを加えた10人の監督が、ニューヨークを舞台にしたラブストーリーを、それぞれに手法で描き出していきます。
割と海外渡航歴は多いForestですが、ニューヨークは未踏の地。
我ながら意外なんですが、多分1週間かそこら旅行に行っても、この街の魅力は到底掴みきれないだろう…そのもどかしさを味わいたくないんだろうな~。でもいつかは行ってみたい街No.1です!
世界中の人々を惹き付けてやまない街ニューヨークを舞台にしてる時点で、もうこの映画は「勝ち」ですね。
一つ一つの物語は短くても、ちゃんと落ちがあったり、他のエピソードを繋がってたりする…集中力を持続させなくてもいいから、Forestは「オムニバス」形式って好きなんです。
必ずお気に入りのストーリーに出会えるのも魅力♪
まず、ナタリー・ポートマン監督作。
これも人種に対する偏見(というか思い込み?)が織り込まれている、絶妙なストーリーなんですが、脚本も彼女が書いてます。そして、何よりも驚いたのは、キューバの誇るバレエダンサー、カルロス・アコスタが出演してること!
黒人の彼がスクリーンに大写しになった時、「あれ?これってアコスタ?」って思ったのですが、「いやいや、似てる俳優だろう」と。
でも、最後にバレエ踊ってるシーンがあって、確信しましたね。
あ~、やっぱりアコスタ君はカッコいいわ~。バランシンの「アポロ」を踊る彼の完璧なバランスと肉体を初めて見た時の衝撃が蘇りました。
ナタリー・ポートマン、さすがのキャスティングだわ~。
そして岩井俊二作品。エンドロールまで、どれが彼の監督作か?分からなかったのですが、いやいや。10編の中でも3本の指に入る出来でした。何ともオサレ~なんだな。彼のテイストはニューヨークという街にピッタリ合うような気がします。
個人的なベストは、ロビン・ライト・ペンとクリス・クーパー出演の「ソーホー」編。短編とは思えないほど、驚きと愛情に満ちた秀作で、思わず涙が出てきそうでした。観客を良い意味で裏切るアイディア、どうやったら出てくるんでしょうかね?
「パリ・ジュテーム」も良かったけど、こちらも何度も見返したくなるような素敵なエピソード揃い。すっかりニューヨークを闊歩した気になったForestでした♪映画はやっぱりこうじゃないとね。