「ラブリーボーン」★★☆☆☆

14歳で残忍に殺された少女スージーが、天国に行く手前の世界で、自分の死後の家族を見守り、やがて「死」を受けて入れていく…という過程を描いた物語。

「主人公の死後の世界」という斬新な物語を、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンがどのように描くのか?興味津々でした。

ラブリーボーン

結果から言うと、「う~ん」って感じ。

スージーを殺した変態男は、捜査の目をかいくぐって、平然と近所に暮らしているどころか、彼女の妹までも毒牙にかけようと企む始末。

犯人を探そうとやっきになる父親(マーク・ウォルバーグ)、そんな夫を見かねて家を出る母親(レイチェル・ワイズ)、家族を心配して同居し始める祖母(スーザン・サランドン)と、役者が揃っているのに、全く彼らが活かされていない!

特にスーザン・サランドンの存在意義が良く分からなかった。

ひっきりなしにタバコを吸い、酒とあれば何でも飲む…という、ちょっとイっちゃってるおばあちゃん。

彼女がスージー亡き後の家族に、新風を吹き込むのか?と思いきや、別に何もしてないし。

ともかく一番イラついたのは、犯人が結局逮捕されないってこと。

アメリカ映画としては、「勧善懲悪」を実行しないで良いの~?

こいつにこそ、天罰与えるべきでしょ!

たとえ自分を殺した相手であったも、憎むことなく、大人しく「死」を受ける=赦しの精神を説いているのか?

主人公スージーちゃんを演じたのは、「つぐない」のブライオニー役で鮮烈な印象を残した天才子役シアーシャ・ローナン。吸い込まれそうなブルーの瞳が印象的ですが、彼女の演技が良いだけに、映画の趣旨が今ひとつ伝わってこなかったのは残念ですね。

正直、期待ハズレ感は否めなかったです…。後味悪し。