「副王家の一族」★★★☆☆

久々にこってりしたフルコースを食べたような、そんな満腹感があった作品。

副王家

舞台は19世紀半ばのシチリア。国王の代理として領地を統治する副王家の末裔である名門貴族が、激動の時代の中で繰り広げる骨肉の愛憎劇を、華麗に綴る一大叙事詩

イタリア統一の歴史なんて、高校時代に教科書でチラリと読んだ程度しか覚えておらず・・・。

シチリアってスペイン・ブルボン王朝の支配下だったんですね!すっかり忘れてました。

マフィアのイメージしかなかったけど、長く王政が敷かれていた地域だったんだな~。

絶大な権力を振りかざし、家族にも横暴な支配を働く父、ジャコモに反抗する長男コンサルヴォ。

映画はイタリアの現代史と共に、副王家の父&息子の確執を描いていきます。

それにしても、父親に反抗する度に、海外(ロンドン、パリetc)に遊学に出されるコンサルヴォは何と恵まれていることか!Forestもこの家に生まれて、父親に反抗しまくりたいっ!

最初は子供だったコンサルヴォが、7年後いきなり青年期を通り越して中年に近いオッサンとして登場するとか、ジャコモが頭に出来た腫瘍を「家に不幸をもたらす、放蕩息子のせいだ!」と病院に行かずに尼さんを呼んでお祓いしてるとか、「私、お兄様が反対しても、あの弁護士と結婚します!」と兄であるジャコモに宣言してる妹が「え!?まだ結婚してなかったの?」っていうくらいの、すっごいオバサン女優だったり、あまりにも家族に発見されやすい情事が、そこここで繰り広げられていたり・・・とツッコミどころ満載の映画でもありました♪

劇場内も、時折クスクス笑いが起こっていたほど。

ホントは全然笑うような映画じゃないんですけどね(汗)。

そしてラスト、コンサルヴォがいきなり78歳?になってたのには驚愕しましたね。しかも全然78歳に見えないし。

イタリア現代史を描ききるのに2時間じゃ足りないということでしょうが、ともかく登場人物達の成長速度がやけに速かった(笑)。

イタリアの歴史をおさらいしてから観ると、さらに理解が深まったかもね~。

最近、山川出版から出ている「もう一度読みたい世界史&日本史」シリーズが、社会人に人気みたいですが、Forestも読んじゃおうかな~という気にさせられました。

これだけ日本人に馴染みのない史実と俳優による作品にも関らず、日曜の初回から2回は満席!客層は中高年の方が中心でしたが、ホントに皆さん知的好奇心が旺盛なんですね。

感心いたしました。

「イタリア」という国に対する日本人の興味と憧れって、フランスと並んで非常に大きいんでしょうね。