「スラムドッグ$ミリオネア」★★★☆☆

言わずと知れた本年度アカデミー賞作品賞含む8部門受賞作。そのせいあってか、何度か映画館に足を運ぶも「アカデミー会員のお客様はお断り」の満員御礼状態が続き、3度目の挑戦でやっと鑑賞することができました♪

スラムドッグ

期待が大きすぎたせいでしょうか?私にはそれほど心に響く作品じゃなかったな。元々、ダニー・ボイル監督のスピーディーな展開、細かいカット割などがあまり好みじゃないんですよね。ただ脚本は大好きな「フルモンティ」と同じサイモン・ボーフォイということで、練りに練られたものだったと思います。

映画通の先輩が言っていましたが、子供たちがスラム街を走り回るシーンで、一瞬にしてスラムの外観を観客に見せる監督の手腕は大したものです。

CGも大掛かりなアクションもない、インドの街を舞台にした地味なこの映画が、アメリカ人を唸らせアカデミー賞を独占したのは意義あることかも。

インドは行きたいと思いつつ、一度も足を運んでいない場所。多種の宗教を持つ膨大な人口を抱え込んで、IT始めとする世界の産業拠点となりつつあるかの国は、正にカオス。何でもありのごった煮状態です。あそこで生き抜くためには、人を騙すことなど朝飯前の図々しさ、ふてぶてしさ、そして主人公ジャマールのような運の良さ・・・が必要なんだろうな~。見た目と違って繊細なForestは一日で音を上げそうです。

マサラムービーのお約束で、ラストは皆でレッツ・ダンス~♪となるのですが、これが賛否両論のようですね。個人的にはあのダンスシーンが一番良かった気がします。

ダニー・ボイルらしく、スラムに生きる子供の過酷な人生をリアリティたっぷりに描きつつも、夢を見させてもくれる極上のファンタジーといったところでしょうか?「アメリカン・ドリーム」ならぬ「インディアン・ドリーム」にアカデミー会員たちも心動かされたのかも知れません。