「消されたヘッドライン」★★★★☆

ラストキング・オブ・スコットランド」のケヴィン・マクドナルド監督&「ボーン・スプレマシー」シリーズのトニー・ギルロイ脚本・・・に魅かれて鑑賞。

数々のスクープをものにしてきた名物新聞記者ラッセル・クロウが、大学時代の親友である国会議員(ベン・アフレック)が巻き込まれた事件を調査していくうちに、予想だにしなかった国家的陰謀が絡んでいることを知る・・・。

消されたヘッドライン

最初から最後までハラハラしっぱなし。「手に汗握る」とは正にこういう展開なんでしょうね。途中、「危ない~!」とか「どうなるの~!?」と声を上げそうになったこと数回。さすが「ボーン」シリーズの脚本家だけあって、スピーディーかつ、観客の予測を裏切りまくりの話運び!

そして人間臭い新聞記者のラッセル・クロウが良い!根っからのブン屋ゆえに、親友が絡んだ事件であろうとも真実を報道しなくてはいけないことは分かってる。でも、やっぱり友情を断ち切れない・・・そんな人間味溢れる、でも記者魂炸裂の男を熱演。

ウェブ版の新人女性記者の育て方も「これぞ理想の上司」って感じ。たまにやりすぎの所もありましたが、基本的には「部下に仕事を任せ、何かあったら守る。そしてここぞと言う時には自分が出て行く」というスタイル。あんな上司がいたら惚れます・・・。

それから編集局長を演じたヘレン・ミレン。彼女がまたカッコいいんだわ~。バリバリのブリティッシュ・イングリッシュで、ラッセル・クロウと歯に衣着せない丁々発止のやりとり。彼らに辞書には「おべんちゃら」とか「仕事への妥協」とかないんですね。毎日が戦いって感じだけど、それぞれの立場で仕事をまっとうしようとする2人の火花散る舌戦は見ものでした。相手への信頼があるからできることなんでしょうけど。

オリジナルはBBCの人気ドラマ「State of Play~陰謀の構図」。うん、これは毎回続きの気になるドラマだったでしょうね~。久しぶりに良質な社会派エンタメを観ました。ラストシーン、そしてエンドロールに流れる新聞印刷の過程・・・最後まで心憎い監督の演出に痺れました。