「ダウト~あるカトリック学校で~」★★★☆☆

最近、人から借りたDVDでやっと今年のアカデミー賞受賞式見たんですが、何とメリル・ストリープって、この「ダウト」で実に15回目のノミネートだとか。会場は「メリル賛歌」に満ち溢れていました。受賞は逃したものの、カメラに度々映し出されるお顔がとっても綺麗&知的。とても「マンマ・ミーア!」と同じ女優とは思えん(汗)。さすがは名優!

ダウト
疑いを抱いた相手を執拗に追い掛け回す・・・厳格なカトリック学校の校長は、メリルの当たり役かも。

元々はトニー賞ピューリツァー賞W受賞の戯曲だけあって、メリル、そして彼女に追い詰められていく司祭(デブのフィリップ・シーモア・ホフマン)の息詰る舌戦が、密室で繰り広げられます。すごい迫力・・・。

一つ言えるのは、この校長が「ダウト=疑い」から逃れられず、自分をがんじ絡めにしてしまってるってことかな。古い慣習や形式に捉われているが故に、時代から取り残されている感のある彼女。正義を貫を振りかざすパフォーマンスをしつつも、進歩的で、新時代を見据えている司祭のことが怖かったんだよね。

テーマは普遍的です。いきなりエンディングを迎えるのには、少々驚きましたが。「え!?これで終わりかい!?」みたいな。スペクタクルもアクションもCGも海外ロケもない、非常に低予算な香りのする作品でしたが、俳優の演技と深遠なテーマで映画ってこうも面白くなるんだなということを見せてくれましたね。