「ボーダータウン 報道されない殺人者」

これも大して関心なかったのですが、何となく暇つぶしに観てしまった一作。

ボーダータウン

アメリカと国境を接するメキシコの町、フアレス。、外国資本工場が立ち並ぶこの地域で、女性の殺人事件が急増。これまで500件近い事件が確認されながらも、ほとんどが未解決。更には行方不明者も数千人に及ぶそうな。

にも関わらず、メキシコの警察は事件を矮小化。アメリカのメディアも決して報道しようとはしなかった。この事実に目を付けた監督がプエルトリコ系のジェニファー・ロペスの力を借りて映画化したのが本作。監督とロペスの勇気には敬服しますね。よく映画化にまで漕ぎ着けたな~と思いました。

シカゴから来た野心家のジャーナリストが、事件の真相を暴いていく・・・という社会派サスペンスなのですが、ロペスが持ち前のお色気を封印して熱演しています。

そして彼女の元同僚(恐らく元恋人)だったメキシコ人ジャーナリストを演じるアントニオ・バンデラス。スペイン人の彼ですから、これは当たり役でしたね。

しかし、未だにこの地域では8時間立ちっぱなし(三交代制で、24時間フル稼働の工場がほとんど)で、ひたすらPCの部品を組み立てる少女たちがいるんだろうな~と思うと、本当にやるせない気持ちになります。掘っ立て小屋のような貧しい我が家へ帰る道すがら、強姦され殺されてしまう女性がこんなにも多いとしたら・・・。

アムネスティもこの未解決の行方不明事件には警告文を出してるそうですが、安い労働力を失いたくないばかりに、事件に目をつぶり富をむさぼるアメリカ、そしてアメリカと結託しているメキシコの富豪たちには怒りを覚えました。