「イースタン・プロミス」

ヒストリー・オブ・バイオレンス」に次ぐ、デビッド・クローネンバーグ監督&ヴィゴ・モーテンセンコンビによるサスペンススリラー。

イースタン・プロミス

R18だけあって、冒頭からナイフで首を掻っ切るシーンにヤラられました・・・。全編に渡って、銃ではなくナイフが多用される暴力シーンは、観てる側により一層の恐怖と痛みを感じさせます。

ロンドンを舞台にしたロシアン・マフィアの実態と、彼らと接触してしまった助産婦(ナオミ・ワッツ)。「自分は単なる運転手だ」と嘘ぶきながらも、ナオミ・ワッツに掴みどころのない優しさを見せる謎の男をヴィゴ・モーテンセンが演じています。

しかし、ホントにロンドンにこんな悪の組織が存在しているのだろうか?だとしたら恐ろしい話ですな。まあ、ロシア人なら何でもやりそうだけど(汗)。

マフィアのドンのダメ息子=ヴァンサン・カッセル、そのダメ息子を支える部下=ヴィゴ・モーテンセン、2人があたり役でした。時にロシア語の混じる会話を通じて、見事にロシア人マフィアになりきってましたもん。

最大の見せ場は、文字通り素っ裸でヴィゴが挑んだ、サウナでの乱闘シーン。ナイフというには大きすぎる刃物を振りかざす2人の大男を相手に、まさに命がけの闘いを見せます。ヴィゴは裸でもカッコよかった。あのシーンを撮る前の緊張感たるや大変なものだったでしょうね。生きるか死ぬか!っていうかものすごい迫力。

久しぶりに重厚な映画を観た気がしました。ヴィゴ・モーテンセンの、あの何ともいえない悲しい感じ、どんな思い宿命を負ってるのかしら?と女性たちの同情を得るに違いない憂いを帯びた表情。たまりませんな~。49歳であの色気っていうのはすごいね。クローネンバーグのお気に入りなのも分かる気がします。

何度も観るのは辛いけど、ズーンと胸にくる映画でした。こういう作品を映画館では観たいですな。