「ハンティング・パーティー」

どうせタダだからってことで、暇に任せてもう1本観ることに。今度はちょっと毛色の変わったものを。

ボスニア紛争の大物戦争犯罪人を追跡する命知らずな3人のアメリカ人ジャーナリストの姿を描いた社会派サスペンス・アクション。

ハンティング

ボスニア紛争は"民族浄化"という非道な大虐殺が行われたことでも知られる、史上稀に見る民族紛争。大学時代のゼミで研究したこともあり、この地域には関心を抱いてきました。専攻したロシア語と近いスラブ語圏とは言いながら、もちろん足を踏み入れることは一生ないであろう地域。その景色や人々をスクリーンで観ることができたのは、非常に興味深かった。

実話にインスパイアされたフィクション・・・なのですが、ハラハラドキドキ要素には事欠かず、あっという間にエンディングへとなだれ込みます。

あ~、セルビア人ってこんな感じだろうなあというシーンが度々ありました。リチャード・ギア始めとするジャーナリスト3人は情報収集がてら、村の小さな酒場に乗り込むのですが、そこに集う男たちの目が冷たいこと!仲良く暮らしていた隣近所同志で殺しあった過去を持つ人々ならではの、何とも言えない無機質かつ無感情な瞳です。

でも、この映画の価値って内容そのものよりも、セルビア人始めとする現地の俳優を起用していることにあると思う。もともとはオリンピック開催を可能にしたくらいの文化都市。でも俳優たちは内戦によりその活動の場を失ったに違いない。映画で「ハンティング」されるセルビア政治犯を演じたのはローカルの俳優とか。こういう合作が増えていくといいなあ。彼らに仕事を与えることが、何よりの復興への手助けですものね。

それから、リチャード・ギアと組んでいくつもの修羅場を潜り抜けたカメラマンを演じたテレンス・ハワード。彼がすっごくカッコいいんですよ!とにかく目が澄んでいてキレイ!そしてスタイルも抜群。黒人俳優には余り興味がなかったけど、彼はいいね!今後注目したいです。