「つぐない」

クチコミ評価がとっても高くて気になっていた作品。しかも大好きなイギリス映画・・・期待度大で観に行きました!

つぐない

舞台は1935年、夏のイングランド。裕福な家に生まれ、小説家を夢見る少女ブライオニーは、使用人の息子ロビーにほのかな想いを抱いていた。

一方、姉セシーリアもロビーへの愛を自覚する。ところがブライオニーは、些細な行き違いと嫉妬心から姉とロビーの関係を誤解してしまい、取り返しのない嘘をついてしまう。この嘘によって愛し合っていた2人は永遠に引き裂かれ、ブライオニーはその罪の意識に苛まれながら、一生を送る・・・という何ともやるせないお話。

ロビーを演じるのは、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」のジェームズ・マカボイ。全然イメージが違うので、気が付きませんでした。カッコいいですね~、彼。改めて俳優として見直しました!

そしてキーラ・ナイトレイ。ちょっとはすっぱなお金持ちのお嬢さんがよく似合う。痩せぎすで、胸があまりにペッタンコなので見てて辛いのですが、顔はホントに綺麗。写真で着ているノーブルでクラシックな紺のスーツと帽子を身につけた彼女は、ぞくっとするほど美しかった。

でも物語のカギを握る13歳のブライオニーを演じた新人は、すごい存在感。ヒーローだったロビーが、自分を裏切るような行為をしたことが許せずに、彼の人生を狂わす嘘をついてしまう。

ホントに憎らしい小娘に見えたのは、彼女の演技が素晴らしいからに他なりません。

確かにブライオニーはムカつきますが、誰も悪意はなかったんですよね。ただボタンの掛け違いっていうか。セシーリアがもっと早くロビーへの愛に気づいていたら、ロビーがセシーリア充ての手紙を入れ間違えなければ、そしてその手紙をブライオニーに預けたりしなければ・・・と思うけど、小さな行き違いが重なって、大きな事件が起きてしまった。

しかし、肉親である姉との関係も絶ったまま、罪の意識に苦しみながら晩年を送るブライオニーの気持ちは、いかばかりか?もちろん自分も独身だろうし、ひと時も幸せを感じたことはないでしょう。

ラストシーン、この世では結ばれなかった恋人たちが、浜辺で戯れるシーンは美しいの一言。