「君のためなら千回でも」

最近ず~っと映画を観る時間がなく、何だかカラッカラに乾いている気がしてました。

やっぱり映画を観るのが私の最高のリフレッシュ法なんですね。

で、予告を観た時から既にウルウルきてしまった「君のためなら千回でも」をチョイス。久しぶりに泣きたかったんです・・・。

君のためなら-1

1970年代のアフガニスタン。裕福な家の少年アミールは、召使の子供ハッサンと兄弟のように育てられてきた。ある日、凧揚げトーナメントに参加した2人は、そこで思いがけない出来事に見舞われ、仲たがいしてしまう。ソ連のアフガン侵攻を機にアメリカに亡命し、長じて作家となったアミールの元にパキスタン在住の古い知人から連絡が入る…。

ともかく子役が良い!カブール在住の現地っ子、もちろん演技経験のない子達を起用したそうですが、彼らの目の輝き、傷ついた表情、そのどれもがリアル。アミールの子役時代を演じた子供は、戦争で父を亡くし、母親には捨てられたそうです。わずか12歳で人生の過酷さを知ってしまっている。でも、これだけ純粋な瞳と笑顔を持っているんだ・・・と思うと、それだけで涙が出ました。

君のためなら-2

アミールに裏切られるハッサン。彼もまた最高の演技を見せます。どんなにひどい仕打ちを受けても、アミールへの忠誠心は揺るがない。その姿勢は大人になっても変わらなかった。これほどまでに人を信じることができるだろうか?そう自問せずにはいられませんでした。

そしてもう一人。忘れてならない存在感を示すのが、アミールの父であるババ。反共産主義者で、アフガンを侵攻したソ連には深い恨みを持っている。パキスタンに亡命する時に、命を賭けて車に同乗した若い女性を守ろうとしたその姿は、本当に気高いものでした。彼の一貫した主義主張はスゴイ。あれほどまでに自分の尊厳を守ることが、できるだろうか?「誇りを持て」というのが彼の口癖でした。病に倒れて病院に行っても、ロシア系だという医者の診察を拒否するババ。前半のお金持ちぶりから一転、アメリカでは慣れない下働きで苦労の連続だったはず。でもババは、身をやつした姿でも、最後まで誇り高く見えました。どんな境遇にあろうとも、自分の本質を変えてはいけない。自分の主義主張を曲げなければ、堕落したことにはならないのです。でも、それがどんなに難しいことか?本当に心の強い人間にしかできないですね。

アフガニスタンと見まごうセットは、全て中国で撮影されてものだそうです。主役の男の子2人が幸せな人生を送ることができるように・・・と祈らずにはいられませんでした。