わっきーのこと

朝日新聞の記者の方にお目にかかる機会があったのですが、偶然にその方が私の学生時代の友人F君とお知り合いでした。F君といえば、彼を我々の仲間に引き入れたわっきーのことを思い出さずにはいられません。

わっきーは、素晴らしい人柄と、知識と、話術と、育ちの良さとを備えていた稀有な人だったけれど、出版社での激務に追われて24歳という若さで、我々の前から旅立っていきました。

彼の身に起きた不幸を真っ先に連絡してきたのが、現在は朝日新聞記者となっているF君だったのです。その時、私は運転していた車を路肩に寄せて、留守番電話に残されたF君の不吉なメッセージを聞きました。「残念なお知らせがある」と。そして「わっきーに何かが起こったに違いない・・・。」と、なぜかピーンときたのでした。その時の、ざわついた胸の感触まで、よく覚えています。

今、仕事でわっきーが所属していた女性週刊誌と関わることも多くなってきました。

もし彼がいたら、どんなに力になってくれただろうと思います。

わっきーがいなくなって11年。

まだまだ不在に慣れません。それだけ大きな存在感を持った人だったな。

久しぶりにわっきーのことを思い出した夜でした。

でも遠い空の向こうから、「頑張れよ~」とニコニコ笑いながら見守ってくれているような気もします。