「エンジェル」★★★☆☆

大好きな監督の一人、フランソワ・オゾンの新作とあって、予告編を観たときから期待していた「エンジェル」。フランス人の彼が、初めて英国を舞台に撮った英語作品ということで、ワクワクしながら鑑賞。

エンジェル

オゾンと言えば、ちょっと偏執狂じみたブラックなユーモアがその持ち味だった。(同性愛とか、近親相姦をメタファーとして多用するなど)。

「気持ち悪い~」とか「ありえない~」と思いながら、その変人たちの世界に入り込んでいってしまう・・・その過程が好きだったのだけど、残念ながら「エンジェル」にはいつもの驚きがなかった。

文才に恵まれた空想好きの少女エンジェルが、ベストセラーを続々と生み出し、富と名声を手にするものの、実生活では愛した男に裏切られて、気の毒な末路を迎えるという何の捻りもない物語。

ジェットコースター並の展開の速さに「さて、これからどうなるか?」と期待したのだけど、途中で失速。ダラダラとした緩慢な物語運びにイライラして、「いつ終わるのかな~」と思ってしまった。

フランソワ・オゾンが、これで終わらせるハズがない」と、次の展開に期待をすること数回。その度に裏切られ、「え!?これで終わり?」というところで映画は終了。

スランプですね~。フランソワ君。

若くして時代の寵児としてもてはやされ、その地位に甘んじてしまったからか?

それとも早くもアイディアが枯渇してしまったのか?

いずれにしても次回作が勝負でしょうね。