「キャンディ」

全然観る気はなかったのに、付き合いで鑑賞。

劇場に行ったら、いきなり漫画家・桜沢エリカ氏による「だめんず」についてのミニトークショーがあってビックリ。

あんまり客の入りが良くないから、こういうイベントを仕掛けてるんだろうか?

それにしてもトークショーがあることすら、全く知らなかった(汗)。

本題に戻って。

オーストラリア人のスタッフ&キャストでおくる、若く美しいジャンキー・カップルの破滅への道を描いた本作。

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ドラッグを買う金ほしさに彼女のキャンディに売春させたり、盗みを働いたり、嘘をついてキャンディの父親に金を無心したり…というだめんずのダンにヒース・レジャー。「詩人志望」という設定なのに、全然詩作に励んでる様子もないし、自分は全く働かず、キャンディに身体を売らせてばかりのどうしようもない男。

まあ彼と付き合っている画家志望のキャンディも、もちろんジャンキーになり、身を滅ぼしていくのです。

こう書いてみると悲惨極まりない話のようですが、実際の映画からはそこまでの悲惨さは感じ取れません。

アーティストである2人の創作活動にはドラッグが必要不可欠だった…というならまだしも、この2人ってドラッグ以外のことをやってる姿が皆無。

ただのグウタラにしか見えないのが痛い。

しかも運命的に激しい恋に落ちた2人にも見えない。

普通の健康的な若いカップルっぽいんですよ。

思うに、ダンっていう男は多少見てくれが悪くても、才能に溢れていてどうしようもない魅力がある、ちょっと陰鬱な感じの俳優が演じた方が良かったかもね。

ヒース・レジャーにはドラッグが似合わないんだなあ。

「死ぬまで酒を飲んでやる!」と心に決めてベガスにやってきた男と娼婦の破滅的な愛を描いた「リービング・ラスベガス」っていう映画がありましたが、あのニコラス・ケイジエリザベス・シューの心が痛くなる程の刹那的な感じ、命を縮めながらも愛し合う2人…という姿には遠く及ばなかったですね。

ニコラス・ケイジの破滅ぶりは壮絶だったもんな~。

ダンとキャンディは、「ドラッグに溺れていたけど、愛には溺れてなかった」ということでしょうか?

詩人志望のダンよりもキャンディが壁に書きなぐった詩---「ダンはハンサムな詐欺師(?)」だったけな?---の方が、皮肉にもセンス良かったです(笑)