ラスト・キング・オブ・スコットランド

劇場で観る機会を逸したので、DVDにて鑑賞。

ウガンダ大統領だったアミンの主治医となった、スコットランド人青年の見た彼の本当の姿とは!?

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「グロいよ~」という前評判ほどのグロさでなかったのが意外。

この手の映像は苦手なはずだったのに、「大したことないじゃん?」と思ってしまいました。何故だろう?

アミンを演じたのはフォレスト・ウィテカー

アカデミー賞を受賞する熱演を見せていますが、この役はオイシイ。

「強烈な暴力性、そして二面性を持った独裁者」という個性ありありの大統領ですからね~。役者魂も刺激されたでしょうね。

この映画を観て思ったのは、国も会社も学校も、人が集まって形成されている社会(コミュニティ)は同じなんだなということ。

程度の大小はありますが、朝礼暮改の独裁者をイエスマン達が取り囲み、権力を増長させる。

勇気ある人々はいつの間にか抹殺され、残った小市民たちは「いずれこの時代も終わるだろう」という淡い期待だけを糧に、息をひそめて日々を過ごす。

アミンが「アジア人の追放を止めなかった」と主治医をなじる場面が印象的でした。

「お前の説得が足りなかった。俺をもっと説得するべきだったんだ~~~!」

と叫ぶアミン。

いる、いる~。いるよ~。こういう人!

自分のしたことは棚上げにして何でも人のせい。

「あの時、言ってくれなかったから間違えちゃったんだよ~。お前のせいだ~。お前が悪い~。」

…って。

でも自分が一国の権力を手中にしたら、どんな善良な人間でも変わってしまうのかも?

自国民の1/4を虐殺してしまった(その数、200万人とも言われます)ポル・ポトだって、「カンボジアを良くしよう!」という熱意に溢れた青年だったのですから。

(ちなみにアミンは、8年で50万人の人間を殺したとされています。)

人間の恐ろしさと愚かさを見ることのできる、キッツイ映画です。