暗闇のエンターテインメント!
さて、美味しいランチの後に向かったのは、ル・ゴロワの斜向かいにある「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の会場。
うさうさにお誘いを受けるまで、このイベントのことは全く知りませんでした^^;
1989年にドイツで生まれ、世界中で600万人が体験し、日本でも1999年から毎年開催されているとのこと。
皆さん、どんなイベントだと思いますか???
「8人を定員とする参加者たちが、完全に光を遮断した真っ暗な空間の中に入り、暗闇のエキスパート(視覚障害者)のアテンドのもと、様々なシーンを体験していく…」というもの。
こちらは、勇んで写真を撮る、うさうさ。
チャレンジ精神旺盛な彼女は、こんなレアなイベントを見つけ出すだけあって、ワクワク感が先立っている様子。
さて、いよいよ我々も初対面の5名、そしてアテンドのちーちゃんと共に、暗闇に足を踏み出したのですが…。
や、やばい!ドキドキする~。それも動悸・息切れって感じのイヤ~なドキドキ感です。
段階を追って、少しずつ明かりの消えた部屋に入っていくのですが、正直もう無理かと思いました^^;
アテンドのちーちゃんが「はい、ここで気分が悪いとか、ドキドキしてるっていう人、いますか?」と問い掛けた瞬間に、「はい!気分悪いです!」って即答しちゃいましたから(笑)。
いや~、自分でもこんなに「真っ暗闇が怖い」⇒「高まる動悸」⇒「気持ち悪い~」⇒「ここから逃げたい!」
という気持になるとは思ってなかった!
小さい時、暗い部屋が怖くて、自宅の2階にも一人で行けなかったほど繊細だったForest。
こんなに気弱なのに、大丈夫か!!!???と自問する中、友人うさうさは
「え~!?大丈夫だよ!」と励ます一方。
「う、うん~~~~」と何とも歯切れの悪いForest。
でも、一緒に周るグループの中にいた詩人のSさん(超強烈キャラのご婦人)が、自己紹介がてら自作の詩を読んでくれたんですね。
それでちょっと気が楽になって、次に進もうと思えました。
暗闇の中を杖と人の声、そして視覚以外の全ての感覚を使って進みます。
途中、花いちもんめをしたり、人のお家に上がって炬燵でミカンを食べたり、芝生に寝転んだり、カフェでビールを注文して一杯やったり…と、「えええ~!暗闇でそんなことできるの?」という体験が続きました。
一番びっくりしたのは、真っ暗カフェでビール飲んだことかな~。ちゃんとお金も払って、お釣りももらってね。
あれは不思議な空間だった。
もちろんサービスしてくれるのは視覚障害者の方なんですが、普通に洗い物してましたからね。
まさに彼らこそが「暗闇のプロフェッショナル」と言えるでしょう。
そして終わった後、体感時間は20分程度だったのに、既に90分近くが過ぎていたのにはビックリ!
何だか信じられませんでした。
光のある場所に出た時に感じた何とも言えない安心感。忘れられません。
「ほっとする~」という言葉が誰の口からも自然に出ていました。
光ある世界に生きる素晴らしさ---当たり前のように享受できることを、感謝せずにはいられませんでした。
そして、暗闇の中で本当に心強かったアテンド「ちーちゃん」の存在。
私も「ちーちゃん、どこ~?」と、まるで母親を探す子供のように彼女の名前を呼び、ちーちゃんは何度もForestの手を握ってくれました。
「ちーちゃんと一緒なら怖くない!」という気持ちで過ごした暗闇での90分。
でも、現実世界では、ちーちゃんと我々の立場は逆転し、彼女は人々のサポートが必要な一人の「障害者」に戻ってしまうのでした。
何とも切ないのですが、一時的にでも彼女始めとする視覚障害者の人たちが生きている世界を、垣間見ることができました。知ってるのを知らないのでは、大きな違いがある体験だと思います。
閉所&暗所恐怖症のForestですから、うさうさが誘ってくれなければ自ら進んで参加しなかったであろう「ダイアログ・イン・ダーク」。
終わった後は、苦手克服した子供のようにちょっと自信が付きました。
皆さんに「気分は良くなった?」「大丈夫?」と最後まで心配して頂き、恐縮しちゃいました。
初対面なのに、90分暗闇を一緒に過ごしただけで、仲の良い友人同士のような気分になってました。
これもまた不思議な効果ですよね。
貴重な体験を与えてくれた、うさうさ。ありがとうございました。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」をまだ体験していない方々、是非オススメします。
世界を見る目が変わりますよ!