「恐るべき子供たち」

「たまには古い映画でも観て勉強しようかなあ」と思い、手にとったDVD。コクトー原作ものを観るのは初めてだったけど、予想にたがわず「よく分かんない~」という内容でした。でも、この不可解な感じがフランス映画(特にヌーベル・ヴァーグの)らしさなんだな。何でも理屈で割り切れるもんじゃありませんよね。

恐るべき

エリザベートとポールの姉弟の奇妙な結束、友人2人を巻き込んだ四角関係の末に引き起こされる悲劇・・・というのが主軸ですね。

ポールは同級生の男子学生ダルジェロスに淡い思いを寄せているのですが、あえなく失恋。で、後に同居することになる姉の同僚アガトに彼の面影を見つけて、密かに愛を募らせる。後から知ったのですが、このアガト演じた女優さんは、ダルジェロスと一人二役だった!同一人物なんだから、顔が似てるはずだ~。それにしても全然気が付かなかった・・・(汗)。

「ポールの友人ジェラール⇒エリザベート⇒弟ポール⇔アガト」という四角関係なのですが、弟に異常な執着心を見せるエリゼベートが、引っ掻き回して皆を不幸にしちゃうのです。いつも怒鳴り合ってるのに、決して自分から離れていくことを許さない。こういうねちっこさは女性ならでは。こわ~い。

ラストシーンは、日本の能を思わせる演劇的な構図が、印象に残りました。ま、コクトーと言えば、詩人、作家、映画監督・・・etcとマルチに活躍した、時代の寵児だったわけですから、色々と実験的な試みをしたんでしょうね。このわけ分からなさ加減が、逆に映画を忘れ難いものにしました。