ジャコメッリ展

東京都写真美術館で開催されていた「マリオ・ジャコメッリ展」へ。

ジャコメッリ

友人曰く、須賀敦子のエッセイで、彼女の友人がこの写真=輪になって戯れる修道士たちの一人である・・・と書かれてるのを読んで、ジャコメッリに興味を持ったそうな。ジャコメッリは、イタリア中部の小さな街、セニガリアの生まれ。10代半ばから地元の印刷屋で働き始め、生涯この仕事を続けました。そのかたわらカメラに興味を持った彼は、28歳頃から写真を撮り始めます。

作品は、「黒」と「白」のハイコントラストを特徴とし、その強烈なコントラストは「生」と「死」になぞらえられることも。

プロの印刷屋さんだったから、写真の現像とか構図なんかはお手のものだったのでしょうが、28歳とは遅いスタートだよね。しかも生まれ育った田舎から生涯出ることがなかったというのも面白い。

こういう欲のない感じが写真にも出ていたかな。ちなみに上の写真のタイトルは「私には自分の顔を愛撫する手がない(通称:若き司祭たち)」。神学生たちが子供から大人へ・・・成長していく過程を映し出しながら、彼ら自身は一生子供を持つことがない…というその孤独を表現したタイトルだとか。そう考えると、無邪気(かどうかは分からんが)に見えるこの神学生たちが、どんな孤独を抱えてるようになるのか?ちょっと胸に迫るものがありましたね。

でも修道院って同性愛がすごそうだよな~と下世話なことを考えてしまいました。だって写真に写っている青年たち、結構イケメンだったもんね。黒衣の修道着姿が、またいいんですよ~。