「悲しみが乾くまで」

ある愛の風景」「アフター・ウェディング」のデンマークの俊英スサンネ・ビア監督が、ハリウッドに招かれ、初めて英語で撮り上げた作品。突然の悲劇で最愛の夫を失った女性が、夫の親友を心の支えに立ち直ろうとする過程で繰り広げられる葛藤と男女の心の機微を繊細に描き出します。

悲しみが乾くまで

私は「トラフィック」以来、ベネチオ君にはかなり注目しているのですよ。ハル・ベリーは頑張って演技しちゃっているところがあって、どうも好きになれないのですが、ベネチオ・デル・トロはさすがでしたね。麻薬中毒者の元弁護士っていう役柄を演じきってました。親友が殺されて、その妻であるハリ・ベリーと暮らしだすのだけれど、2人の間に何か生まれそうで生まれない。そういう微妙な抑えた感情っていうものを身体全体から滲み出させてるんです。これはベネチオ君にしかできないなあ。角度によってかなりブラピに似ていたりするから、ますます侮れません!

原題は「Things we lost in the fire」。火事で失ったもの。モノを失っても、人が生き残れば、また思い出を作れる・・・映画の中でのベネチオ君の再生を願います。