さよなら、Another World鎌倉

2021年4月から始めた、鎌倉(故郷)&大井町(現在の住処)の二拠点生活

15年ぶりに住む鎌倉は、お洒落なカフェやレストラン、移住者が溢れる見慣れない街に変貌していて、戸惑うことも多かった。それでも鎌倉にいる時間が増えた理由は、他ならぬ、ヨガスタジオ「Another World鎌倉」の存在だった。

 

2006年から週一程度は続けていたヨガ。鎌倉でもやりたいなと思っていたところ、これ以上ないベストな環境のスタジオに出会い、月曜日の出社日以外は毎日ヨガ!という日々が始まった。仕事前、あるいは仕事終わりのヨガを毎日続けることで、どれだけ生活が潤ったことか!

 

ヨガスタジオでは、先生も生徒さんも私をファーストネームで呼んだ。苗字も会社も肩書も関係ない。ただ「直子さん!」と呼ばれることで、素の自分に戻れる気がした。

生徒さんのほとんどは、ご近所の由比ガ浜始めとする、鎌倉住人のマダムたち。中には小学校の先輩に当たる方もいた。仕事で、プライベートで、嫌なことがあった時も、ヨガスタジオに来て「こんにちは!」という挨拶を交わし、ちょっとした雑談をすることで、気持ちはスッキリと晴れた。

 

家でも職場でもない、私の大事な3rdプレイスだった「Another World鎌倉」が6月末で閉館する・・・というメールが届いたのは4月1日。中には「エイプリルフールの冗談かしら?」と思ったマダムたちもいたみたい。でも、悲しいかな、それは本当のお知らせだった。

閉館まで残り数日を控えて、連日、各先生たちのラストレッスンが続く。

今日火曜日の夜「ジヴァムクティヨガ」のクラスも最後だった。生徒の中でも大宮から毎週通って一日中レッスンを受けていたTさんは誰もが知る有名人。今日は彼女とお会いするのもラスト・・・ということで、長年のお付き合いの生徒さんたちも集まり、スタジオが入っているホテルの共有ラウンジで、先生を囲んでのプチ慰労会となった。

コロナがなかったら、私はずっと東京に住んでいて、鎌倉に戻ろうという気も起こさなかったに違いない。ましてや、鎌倉でヨガなんて、今までの人生に選択肢としてなかた。共にヨガをした仲間たちの横顔を見ながら、「この一年は夢だったのかな?」という思いが去来した。

コロナが引き合わせた人々と、積み重ねたヨガの時間。彼らは私が今のタイミングで、出会うべくして出会った人々なのだろう。人生に偶然はない。

国外に出られない閉塞感に苦しんだが、自分を育んでくれたこの街での新たな出会いが、なんとか私を生かしてくれた。やっとコロナ渦を乗り切ったこのタイミングで、ここがなくなるというのも神様の思し召しなのかな?そろそろ現実に戻るべき時だという。。。

 

夢は永遠に続かない。ひと時のものだからこそ、より輝いて見えるのだ。私の2拠点生活を彩ってくれた、寛容で純粋なヨガ仲間に感謝を込めて、新しい一歩を踏み出そう。そこには別の「Another World」が待っていると信じて。